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そう返しながら、ノートを取る。
その隣で、また大きな欠伸を漏らすバカがいたので、肘でわき腹に一撃打ち込んでおいた。
「のお゛お゛お゛おぉ…」
「…うるせえぞ。」
「…お陰で眠気が吹っ飛んだわ。ありがとよ」
「だろ?」
なんてやり取りをしていると、前の扉が開いて、さっきの少女が姿を現した。
「……」
「……」
固まる俺とシン。
その少女は、キョロキョロと辺りを見回して、午前の授業の時みたいに何かを探していた。
そんな少女を見ていると、不意に、目が合ってしまった。
(あ…)
少女は、一瞬ニヤリと笑い、それから、こちらに向かって歩き出した。
「お、おい。なんかあの子こっちに向かって歩いて来てねえか?」
「……」
そして、少女の足は、俺達の前で止まった。
「……クス…見つけた…」
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