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しかし、もしかしたら、前の入居者で、その時の荷物が実はあって…みたいな事かもしれない。
「…もしかして、前に住んでた?」
「…クスクス……違うわよ?」
わぁ…即答ですか。
でも、そうなると、本当に分かんなくなってきたぞ?
なんで、来た事もない家に忘れ物なんて…。
ハッ!もしかして、昨日の夜に冗談で言ってた不法侵入が趣味の痴女さんですか?!まさか……そんな……人は見掛けによらないとは言うが、そんな、見た目小学生な子が…まさか……
「痴女さんですか?」
「なんでそうなるのよ。」
普通に口を吐いて出てしまった。
「じゃあ、なんで家にようなんて…」
なんか段々怖くなってきたぞ?
「……言ったって、アナタは理解できないわ。」
と、少女は少しだけ悲しそうな顔を見せた。
その顔を見た瞬間、何故か分からないが、この子を家に連れて行った方が良い。そう思えてしまったのだった。
「……なんで、そんなに家に行かなきゃいけないんだい?」
「クス…だから、さっきから言ってるでしょう?」
「私はアナタの家に忘れ物をしたのだと…」
「…いや、そうじゃなくて…それは今日、今すぐ行かなければいけないものなの?」
そう聞くと、少女は少し考える仕草を見せた後に、俺の顔を見て
「…アナタ、まだ講義あるの?」
「…まぁ。」
「何時ごろ終わるの?」
「5時ごろだと…」
「分かった。」
「え?」
「待つわ。」
「え?…えぇ!?」
「私はこの後何もないから大丈夫よ?クスクス…」
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