雨の日、出逢い。

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某県某所。 そこにある国立大学に今年から通う事になった俺、山崎昇(ヤマザキノボル)は今年で19歳。 何故かは聞くな。 聞いてくれるな。 まぁ、それは置いといて。 今、俺は生憎の雨の中行われた入学式を終えてアパートに戻っている途中だ。 …で、その途中なんだが…なんで、俺こんな状態な訳? 「…いや、ですから――」 「まぁた言い訳?!最近の子は本当に嘘だけは上手なのね!」 「いや、嘘なんて言っt「ホラまた!」 「……」 「何、今度はダンマリですか!?」 「…スミマセンでした。」 「…まったく、最初からそうやって頭を下げればいいんですよ!?」 「…はぁ。」 「なんです!?何か、文句でもお有りで?」 「…いえ、別に…」 ホントになんでこんな状況になってるのかというと、ついさっき、ここを通りかかった時に、この近所では有名な『イチャモンおばさん』に遭遇してしまって、適当に挨拶して逃げよう、と思ったところ、挨拶がなっていない!と先ず叱られ、それからゴミの分別がどうのこうの言われ(まぁ、俺はまだここに来て3日しか経ってないからゴミを出しに来てないんだが)、そして、極めつけは、今現在叱られている“ゴミを出す日にちが違う”というものであった。 (…俺、まだここに来てゴミ出した事ないんだけどなぁ…) 「――だからね!?…ってちょっと、聞いてるの!?」 「あ、ハイ。」 「全く……アラ、どこまで言ったかしら。」 「…あの、もう分かったんで帰ってもいいですか?」 「は!?アンタ何言ってるの!?人が説教してるのに、それを聞きもせずに帰るっていうの!?」 「……」 これは、しばらく帰れそうにないな…。
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