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「大丈夫かい?」
「……怖かった」
「そうかい。」
涙目の少女。
「…で、なんで木に登っていたの?自分じゃ降りられなくなる事くらい分かってただろ?」
「…登りたく、なったのよ…。」
嘘だろと思いながらも突っ込まないであげよう、そう思うのだった。
「…そうかい」
「むぅ…」
「さ、立って。行くよ」
そう言って彼女の手を取って立たせたが、
ヘタ
「…腰が抜けて立てない…」
「……はあ、しょうがないな、ほら」
そういって少女に背を向け、自分の背中の上に乗るように促した。
「……うん、ごめんなさい」
「チビッ子が遠慮なんかしてんなw」
「べ、別にチビッ子じゃないもん…」
「ハイハイ」
「ぅー…」
唸る少女を背中に乗せて、自宅へと歩き出した。それにしても、やけに軽いな…。
なんだか、人形をおぶってるみたいだ。小さい子って、みんなこんなモンなのか?
それからしばらく、自宅へ続く道を歩いていると、不意に少女が笑いだした。
「…クスクス……アナタの背中って、温かいのね…」
「え?…当たり前だろ、生きてんだからさw」
「…そうよね。」
そういう少女の声は、少し悲しそうに聞こえた。
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