雨の日、出逢い。

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『…メリーです。朝ご飯つくっておきました…。だから、こっち向いてください…。』 『…メリーです……。構ってよ…』 『……帰っちゃうよ?』 『…ごめんなさい。帰らないんで起きて下さい…。』 『…ねぇ、もう7時過ぎだよ?起きなさいよ…。』 『……メリー…あっ!起きt……いやいや!二度寝しないでよ!起きなさいよ!てか普通気付くでしょ!?バカ!!!』 『おーきーてーくーだーさーいー』 『……起きなさいよ、バカ…………。』 …一通り聞いて思った。 …誰? メリーって名乗ってたけど…。全く身に覚えがない名前だぞ? …いや、全く身に覚えがない訳じゃないな…。確か、昨日の子の名前ってメリーだった気が… え、何?そんなのどうでも良いから後ろ向いてやれって? なんでだよ。嫌だよ。 これ、後ろ向いたら死亡フラグじゃねえかよ。 この話しの主人公死んだら、それで話終わりだぞ?何一つラブコメのラブの要素無しで終わるぞ?さすがにそれはマズイだろ? だから俺は後ろを向かない。絶対にだ。 「なんでよ!!!」 「!?」 俺が誰に誓うでもない決意表明を終えるとほぼ同時に、後ろから女の子のツッコミが聞こえてきた。 「あ…ホントに居たんだ…。」 「ホントに、ずっと待ってたわよ!」 「……」 「な、なんで黙るのよ…」 「……」 「こ、答えなさいよ!」 「……」 「私、凄い待ってたのよ!?朝ご飯も作って待ってあげてたのに!…なのにっ……っう……後ろくらい…向いてくれても、良い…じゃない…グスッ」 「嫌だ。」 「なんでよ!!!」 「なんでも。あ、そうそう。朝ご飯作ってくれたんだって?ありがとな」 「は、話を逸らさないでよ!」
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