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それから1時間程経ってから漸く解放してもらえた。
…二度と、あのおばさんには関わらないようにしよう。
人の話を聞かないし、ずっと訳わかんない説教垂れるし、雨降ってるし、もう散々だったからな…。
重い足取りでアパートに到着。
それから階段を登り、部屋のカギを取り出す。
…あ、いっけね。買い物し忘れた。
時計を確認して、財布を確認する。
それから、少しだけ空を見て躊躇したが、もう一度、来た道を戻っていく。
幸いなことに、さっきのクソババア…もとい。おばさんは居なかった。
しかし、代わりに古びた人形が置いてあった。
(なんだ、この人形…?)
何故か、自然と手にとって見てしまった。
…確かに、雨で濡れているし汚れているが、その中でも気品があって、そして、どことなく人間らしさのようなものを感じてしまう。
一瞬、背筋がゾクッとなるのを感じた。
さっきのおばさんか、と思い振り返ってみるも、誰もいない。
気のせいか…。
そう思ってもう一度人形に目を落とす。
(……やっぱり、なんか人間みたいなんだよな……。)
…持ち帰ろうかなw
どうせ、捨てられてんだからいいでしょ。
あ、でも犯罪か。
………でも、持ち帰りたいなぁ。
でもゴミだしなー…
でもm(ry
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という訳で、かれこれ30分ゴミ置き場で悩んだ結果、お持ち帰りする事にしました。
まぁ、それまでに通り行く人に変な目で見られたり、子どもに指差されたり…なんか、精神的ダメージが半端なかったんですが、お持ち帰りしてきました。
……あれ、なんでだろう。傘差してるのに雨が顔にかかるぞ?
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