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「それよりも、急がないと講義始まるぜ?」
「あ、おう。」
それから俺達は少し早歩きで教室に向かっていったのだった。
「…なぁ、シン。ちょっと聞いてほしいんだが、いいか?」
「おう」
「…さっきからな、俺…誰かに見られてる気がするんだ。」
「え。気のせいじゃね?」
「……」
「…だってよー、第一お前をスト―キングする様な物好きが居ると思うのか?」
「……まぁ、居ないだろうけど…」
「な?…きっと、新しい生活になったから何かと敏感になってるんだろ?」
「そう…かな」
なんとなく納得してしまう。
たまにシンは的を射た答えをくれる時がある。まぁ、今のがそうなのかと聞かれたらちょっと違う気がするんだけどな。
でも、無駄に納得してしまうんだよね。
それから、講義室に入り、最初の講義を受ける。
オリエンテーションのようなモノを少しやり、それから通常の講義に入る形だった。
「…なぁ、昇。」
不意に、隣にいたシンが話しかけてきた。
「…何?」
「…いや、さ……その、さっき言い忘れてたんだけど、お前を探してるっていう子に会ったんだよね…」
「へー」
ノートを取りながら生返事をする。
「へー…って、お前の事探してた、って言ってんだぞ?もっと喜ぶとかしろよ。」
「いや、だって、さっきお前が言ったように、俺に女の子の知り合いとか殆どいねーし。」
「…まあ…」
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