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「な?だからきっと人違いだろ。」
「…お前、それ言ってて悲しくなんない?」
シンが同情を含んだ目で俺を見てきた。
俺は、シンの方を向かず、出来るだけ感情を込めずに「少しだけ…」と言って、ノートに落書きした。
「…あ。」
「…なんだよ。」
「アレだよ、前の子だよ。お前を探してるって言ってた子。」
「え…?」
シンが指差す方には、辺りをキョロキョロ見ている、小学生の様な女の子が居た。
「…あれ?」
「そう」
「…あの小さいの?」
「それ。」
…俺、なんかしたか?
全く身に覚えのない事に戸惑いながらその子を見ていると、こちらに気付いたのか、じっと俺の顔を見てくる。
なに、俺の顔になんか付いてるの?
それとも、見られているって思うのは、ただの俺の勘違い?
そんな事を思っていたら、どうにも顔に書かれていたらしく、「アナタの事、見てたのよ」と口パクで指摘されたのだった。
…って、俺の事見てたんかい。
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