「ローマ人への二十の質問」塩野七生

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れるように、一つであるとは誰も 考えていません。とはいえ、その 中で最も支配的であった考えは、 堕落する一方のローマを清新なキ リスト教が救おうとしたが、時す でに遅しで、堕落の度合いがより 強かった西ローマ帝国は滅亡した 。というものであったと思います 。これが私には、どうにも納得が いかないのです。(中略)……私 の想像では、所詮はローマ人の気 力の衰えに帰すのではないかと思 う。(中略)……ローマが何故滅 亡したのか、に答えるには、ロー マ人は何故、いつ、何が原因で自 信を喪失してしまったのか、に答 えればよいとさえ考えはじめてい るのです。」と。しかし、この本の 中では、その答えは書かれていな い。  また、この本を読んでいてふと 思ったのは筆者の話しの中には、「 もし○○であったら」という言葉 が多いということだ。僕は今まで は、歴史とは過去に起こったこと であるので「イフ(もし○○なら )」という考え方は有
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