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『生きていくのに疲れました。
自殺なんて、卑怯な逃げ道かもしれないけど、
どうかわかってください。
先立つ不幸をお許しください。』
――― 何時間もかかって考えた遺書は、割と簡単な文面になった。
死んでから見られる最後の手紙だから、もっと長々と書いてもいいかなとも思ったが、それではかえって気持ちが伝わらないかもしれない。
そうだ。
物事は端的に、且つ的確に相手に伝えなくてはならない。
その証拠に、校長先生の話をまる覚えしている人はあまりいないではないか。
…勝手な理屈で、自分にこれでいいのだと納得させた。
出来上がったばかりの遺書をパソコンから印刷すると、封筒に入れる。
…そのままこっそり家を出る。
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