プロローグ

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 …その辺りは電灯もほとんどなく、薄暗かった。  と、土手の上に叫び声をあげたらしい女性のシルエットがぼんやり浮かんだ。 助かったんだ… …ほっとしたのもつかの間、続いて別のシルエットが浮かんだ。上背があるので後の方は男だろうか…、 ――― いや、そんな事を言っている場合じゃない! どうせ死ぬつもりだったんだから怖いものなんてない!  そう自分に言い聞かせ、飛び出そうとした時、男の影が女の影をとらえた。 ―――二つの影はもつれ合い、そして…
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