プロローグ

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“やっぱり思い過ごしか…”  そう思って廃ビルから出て来た時、地面に何か落ちているのに気がついた。  近づいてみると、何かの手紙のようだった。手袋をしているので、指紋がつく心配はない。男はそっと手紙を拾い上げた。 ――― 真新しい封筒には宛名も差出人の名前も書かれていなかった。男は迷ったが、手紙の封を開けてみた。
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