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コンコン…
一応、ノックして入る。
「愁ーちゃーん!!」
「…ん」
我が家で、愁ちゃんとつーちゃんだけは朝が苦手。
大ちゃんとぁたしと勝希はわりと早起き。
「あれ、香鈴?」
「勝希…?なんでここにいんの?」
ここ、とは愁ちゃんの部屋。
「あー、大にぃと柚ねぇたちが帰ってきてて、部屋足んないから。」
「あ、そっか。」
「愁にぃ起こさなくていいの?」
「あ!そーだった!!愁ちゃん!!」
勝希と話してて、すっかり忘れちゃってた!!
「愁ちゃん!!」
「…」
もぅ…;
本当に世話がかかるな!!
仕方ない…
奥の手で…!!
“奥の手”をするために、愁ちゃんのベットの横にしゃがみ込む。
「お兄ちゃん!!起きて!!遅刻しちゃうよ!!」
「ん…おはよ…香鈴…」
ほら起きた。
愁ちゃんは「お兄ちゃん」って言うと効き目が大なの。
でもよく考えると、ただの変態だよね。
っていうのは秘密で;
「お兄ちゃん!!ちゃんと起きて!!」
「ん…起きたよ…!」
「じゃ、ぁたし行くからね?」
「俺も行く。」
むくっと起きて、ベッドから出た愁ちゃんは、寝ぼけてか、後ろから抱き着いて来た。
「ちょっと愁ちゃん!?」
「お兄ちゃんだろ~…」
「んもう!!仕方ないなぁ…ほら、階段降りますよー??」
「んー…」
愁ちゃんて、本当にお兄ちゃんとしてどうなんだろう…;
なんて思いつつ、愁ちゃんを連れて階段を降りる。
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