第3話

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コンコン… 一応、ノックして入る。 「愁ーちゃーん!!」 「…ん」 我が家で、愁ちゃんとつーちゃんだけは朝が苦手。 大ちゃんとぁたしと勝希はわりと早起き。 「あれ、香鈴?」 「勝希…?なんでここにいんの?」 ここ、とは愁ちゃんの部屋。 「あー、大にぃと柚ねぇたちが帰ってきてて、部屋足んないから。」 「あ、そっか。」 「愁にぃ起こさなくていいの?」 「あ!そーだった!!愁ちゃん!!」 勝希と話してて、すっかり忘れちゃってた!! 「愁ちゃん!!」 「…」 もぅ…; 本当に世話がかかるな!! 仕方ない… 奥の手で…!! “奥の手”をするために、愁ちゃんのベットの横にしゃがみ込む。 「お兄ちゃん!!起きて!!遅刻しちゃうよ!!」 「ん…おはよ…香鈴…」 ほら起きた。 愁ちゃんは「お兄ちゃん」って言うと効き目が大なの。 でもよく考えると、ただの変態だよね。 っていうのは秘密で; 「お兄ちゃん!!ちゃんと起きて!!」 「ん…起きたよ…!」 「じゃ、ぁたし行くからね?」 「俺も行く。」 むくっと起きて、ベッドから出た愁ちゃんは、寝ぼけてか、後ろから抱き着いて来た。 「ちょっと愁ちゃん!?」 「お兄ちゃんだろ~…」 「んもう!!仕方ないなぁ…ほら、階段降りますよー??」 「んー…」 愁ちゃんて、本当にお兄ちゃんとしてどうなんだろう…; なんて思いつつ、愁ちゃんを連れて階段を降りる。 ,
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