第3話

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――――――― ―――――――――― 「香鈴」 「あ、いずみん!!」 「それ、やめろって…;」 どうにか朝練に間に合ったぁたし。 昼休み、声をかけてきたのは、いずみん。 「で、なんか用??」 「なんか用じゃねーよ!!ほら!!」 「何コレ?」 「お前、いい加減にしろよ…!!」 渡されたのは一枚の封筒。 「鹿島の試合のチケットだよ!!」 「あぁ!!あれか!!」 「忘れてたのかよ!!」 「ち、違うよ!!」 実際、ちよっと忘れてたけど…笑 「大地がとってくれたってよ。」 「やった!!ありがとうって伝えて下さいなー♪」 「大地のおごりだってよ。お前、外面はいいからな。試合行くっつってたから、会ったら礼言っとけよ。」 「了解ー!!てか、今、余計な一言が聞こえた気がするんだけど…」 「いーや??」 シラをきるいずみん。 いずみんのお父さん、 泉崎宇宙<イズミサキソラ>。 その双子の弟さんの大地さん。 大地さんは鹿島でプレーし続け、今でも鹿島の一員としてフロントで働いている。 だから、チケットをいずみんに頼んでもらった。 「チケット2枚って、疾人でも行くのかよ?」 「うぎゃっ!!∑た、大晴!?またぁんた!?」 「うぎゃって、お前もっとかわいい声、出せねぇのかよ。」 また大晴がいきなり現れた。 デジャヴ… 「可愛い声って…大きなお世話だってば!」 「で、2枚って疾人と??」 「ち、違う!!」 「お前、あんなんタイプなのかよ??」 「げっ!!」 大晴のせいで、いずみんまで…; もぅ!!なんなのよ!!こいつは!! 「てか、お前なんだよ。話に入ってくんな。」 「別にお前に話かけてねーから。」 「あんだと~!?」 「なんだよ。やんのか!?」 そして、くだらない事で揉め始める大晴といずみん。 一触即発。 犬猿の仲の二人は、こんなのいつもの事。 ガルル…と唸る犬のように睨み合う二人に、はぁっと一つ大きなため息をついた。 ,
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