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「香鈴」
「あ、いずみん!!」
「それ、やめろって…;」
どうにか朝練に間に合ったぁたし。
昼休み、声をかけてきたのは、いずみん。
「で、なんか用??」
「なんか用じゃねーよ!!ほら!!」
「何コレ?」
「お前、いい加減にしろよ…!!」
渡されたのは一枚の封筒。
「鹿島の試合のチケットだよ!!」
「あぁ!!あれか!!」
「忘れてたのかよ!!」
「ち、違うよ!!」
実際、ちよっと忘れてたけど…笑
「大地がとってくれたってよ。」
「やった!!ありがとうって伝えて下さいなー♪」
「大地のおごりだってよ。お前、外面はいいからな。試合行くっつってたから、会ったら礼言っとけよ。」
「了解ー!!てか、今、余計な一言が聞こえた気がするんだけど…」
「いーや??」
シラをきるいずみん。
いずみんのお父さん、
泉崎宇宙<イズミサキソラ>。
その双子の弟さんの大地さん。
大地さんは鹿島でプレーし続け、今でも鹿島の一員としてフロントで働いている。
だから、チケットをいずみんに頼んでもらった。
「チケット2枚って、疾人でも行くのかよ?」
「うぎゃっ!!∑た、大晴!?またぁんた!?」
「うぎゃって、お前もっとかわいい声、出せねぇのかよ。」
また大晴がいきなり現れた。
デジャヴ…
「可愛い声って…大きなお世話だってば!」
「で、2枚って疾人と??」
「ち、違う!!」
「お前、あんなんタイプなのかよ??」
「げっ!!」
大晴のせいで、いずみんまで…;
もぅ!!なんなのよ!!こいつは!!
「てか、お前なんだよ。話に入ってくんな。」
「別にお前に話かけてねーから。」
「あんだと~!?」
「なんだよ。やんのか!?」
そして、くだらない事で揉め始める大晴といずみん。
一触即発。
犬猿の仲の二人は、こんなのいつもの事。
ガルル…と唸る犬のように睨み合う二人に、はぁっと一つ大きなため息をついた。
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