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―――あと、アウト一つ
それを取れば俺たちの甲子園行きが決まる
九回二死でランナーはいない
スコアボードで点数を確認する
ちゃんと三対一でこちらが勝っている
俺はここまで一人で投げ抜いてきた
しかし、疲れはない
打席に入った六番バッターと対峙する
俺は、このバッターを二球で追い込んだ
振りかぶり、第三球目を投げた
ボールは、思いっきり振ってきたバットの上を抜けていった
歓声が球場全体を包む
「嘘みたい」
俺はぎこちなくグラブを上に突き上げた
マウンドにチームメイトが駆け寄ってきた
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