―Prologue―

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 だからといっていちいち説明するのもまた面倒であるため、その事に関するアンダーテイカーからの説教は、右から左へと流している。  取り敢えず、色々考え込んですっかり目が冴えてしまったので、むくりと上半身だけを起こして長い息を吐いた。  酷く、喉が渇いている。  まだ我慢は出来るだろうが、意外と察しの良い相棒であるトウジならば、隠していてもすぐに咎めてくるだろう。  そんな結論に至ると勢い良くベッドへと倒れて、手足を伸ばすように大の字になる。  考えている内に朝がきてしまうと、吸血鬼のくせに、否、吸血鬼であるからなのか、激しい低血圧であるため朝から不機嫌になるのをなるべく避けるべく、誰も起こさず二度寝する事を決意した。  窓の向こうに見える景色はまだまだ暗く、月明かりさえ頼りないものに映ってしまう。  それも全て錯覚だと、無理矢理自らに言い聞かせてゆっくりと瞳をとじる。
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