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ただの不祥事ではない。今までのものとは明らかに違う、“蒼”の一族としても、陰契課に勤める者としても最大の禁忌を犯したオフィーリアに、最早弁解の余地はない。
もしもジョシュアがそう望むのならば、素直に受けるつもりだった。
第一線から退き、シュバリエと……否、ウォルフリィと対面して、きっちり決着をつけようと覚悟を決めている。
それでも署内に入る一瞬、オフィーリアの足は止まる。胸では細いチェーンに取り付けられた、ペンダントトップの代わりであるシルバーリングが、心の内を表すように揺れていた。
オフィーリアはリングを優しく握ると、深呼吸して再び歩き出し、部長室を目指しドアをノックする。
「……入れ」
中からジョシュアの、待ちかねたような低い声が響いた。
「失礼します」
ドアを開け中に入ると、デスクに両肘をついたジョシュアが、時間も惜しいというように放った。
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