―Prologue―

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 その血に合わせて身体を変異させている“昏きもの”は、“食事が出来なくなる”状態に陥るのだ。  その事態を防ぐために彼ら契約鬼は長い時間をかけて、自らの身体を元に戻す、いわゆる“リセット”を行なう。  だが完璧に、事前に人間の“死”は予測出来ない。  何らかの事故や病気で契約主が突然死してしまえば、当然この方法は行使出来なくなってしまう。  “食事”をする事も叶わず栄養を採れなければ、吸血鬼も人間と同じように飢餓状態に陥る。  そんな契約鬼の先にあるのは、人間の血を求めての暴走である。  つまり、とにかく空腹を満たすためひたすら無差別に人間を襲い、虐殺を行なうようになってしまうのだ。  そうして相性の合わない、養分の取れない血ばかりを飲み干していき、そのせいでどうしようもない飢餓感が更に増すようになる、究極の悪循環にはまってしまう。
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