76人が本棚に入れています
本棚に追加
だからこそ“昏きもの”の本能とも言える吸血行為は、人間でいうところの“食事”のようなもので、それを絶やしては生きていけないのが現実なのだ。
それ故に、彼らの理性を保つモノは人間の血のみという条件が、必然的に前提としてその身にのしかかってくる。
まだ契約をしていない“昏きもの”は常に吸血衝動に駆られ、暴走の危険を孕んだまま生きなければならない。
並みの精神では到底耐え切れない吸血衝動を、唯一下級の“昏きもの”達は持ち合わせていない。
だが上級の“昏きもの”ともなると、吸血衝動は激しく襲いかかってくるのだ。
そんな条件があるからこそ彼ら“蒼”の一族は人間と契約し、代わりに自分が持ち合わせる能力を以てして、全力で契約主を護ろうとする。
その行動と性質が顕著になった結果、“蒼”の一族の“昏きもの”は多くの者、同族からすら“騎士”と呼ばれ、認識され、契約主につき従っているイメージを持たれている。
同時にそう呼ばれるのは、“護る”事自体が使命となっている彼らには、何の事はない自然の摂理とも言える。
最初のコメントを投稿しよう!