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「今日も良いお天気で、絶好の仕事日和ですねっ」
眼鏡の奥で瞳を輝かせ、声も高らかに告げるスプラッシュを、しばらく見詰めていたオフィーリアが、苦笑しながらようやく返す。
「……それはええさかい。ちょっと声のトーン、落としてくれへん?」
スプラッシュもそこまで言われて気付いたのか、慌てた様子で謝り倒す。
「済みませんっ、イレブンジーズ課長は、毎朝大きな声で挨拶しろと言っていましたので、つい……」
深くお辞儀をするなり、何故か軽く空気が破裂する音を響かせ、スプラッシュの背中から勢いよく短剣が飛び出してきたのだ。
「もうヴァンおらへんやろ」
迫りくる短剣を見もせずに、だがさりげない体勢を取りながら躱すと、半ば恐ろしい音を立てて背後の壁に突き刺さったのを、これまたろくに確認もせずに続けた。
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