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「ええわ、俺が迎えに……」
「お、今日はちょっと遅かったな、フィー」
二人の会話を遮ったのは、長いグレーの髪を後ろで一つに束ねた青年、グレイの声だった。
口振りからすると探されていたのかと、振り向いたオフィーリアにグレイが笑みを浮かべる。
「何か不機嫌そうな部長が呼んでたぞ、早く行った方が良い」
「部長が……?」
ここ最近は無闇に暴れていないので、怒られる理由はないのだがと眉をひそめたオフィーリアに、スプラッシュが肩に手を置いて首を横に振った。
恐らく、ジョシュアの怒りの観点など、考えるだけ無駄だと言いたいのだろう。
「まぁ、行くわ」
理由が何であれ、行かなければ今よりもっと酷い目に遭うのは必至なため、小さく息を吐いたオフィーリアは覚悟を決める。
こうしてオフィーリアは、グレイとスプラッシュに見守られながら部長室へと赴いたのだった。
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