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もともと体の弱かった僕に病魔の影が落ちたのはつい1ヶ月ほど前の事。
体の異変に気付き病院へと急ぐとあれよあれよと体のあちこちを検査されて告げられたのは"末期癌"。
どうやらソイツは体のあちこちに転移し始めているらしい。どうせなら宣告せずに黙って見殺しにして欲しかった。ジワリとジワリと死の淵に追いやられる恐怖を味わうには僕は若すぎた。
息苦しい今。
沢山の薬と点滴は僕の体を蝕んでいる。今でさえ苦痛なのにこれからもっと…さらに過酷な痛みが僕を待っているのかと思うとこれからが真っ暗なように思えた。
「……死にたい…」
体の病は心から、というがそんなの健常者の綺麗事だよ。
僕が"生きれる!"と思えばこの病気は治るの?治らないよ。有り得ない。
心の中の論争はいつも僕の自嘲的な否定で終わる。
…死ぬんだよ、僕は。
次の年を知らないまま。
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