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急にあけられたドア。人がせっかく感傷に浸っていたのに…眉をひそめながらその目の前の礼儀知らずな女を見つめた。
細く長い足を余すことなくさらけ出したショートパンツは少し短すぎる気もする、はっきりとした顔立ちに似合った色素の抜けた鮮やかな金の髪。そこから見え隠れするピアスは蛍光色で目がチカチカする。
一言で表現するなら、"派手"。暗い僕には眩しすぎるくらいに。
これを世間一般俗に言う"ギャル"というものなのだろうか。
茫然と目の前の珍しいソレを見ていた。
ソレは僕をまじまじと見つめると古典的にも手をポンと叩いて指差した。
「あなた!羽山泉ね!!」
指先までもが派手に彩られている。と言うか、人には指さすなって教わらなかったのだろうか。
「ね、ね!そうでしょ?」
「…何で君が僕の名前を知ってるわけ?」
不愉快にも不愉快でソレは書かれた目を存分に広げ何の遠慮なしに、僕を見つめるから不機嫌を表立たせた声で聞いた。
「やっぱり!有名なのよ、あなた!本当に、王子様みたーい!綺麗な顔。」
小さな手はそっと僕の頬に触れる。
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