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なるほど、名前とは凄い力を持つらしい。
先ほどから笑みを絶やさない彼女に「華」のような「笑み」とは。
僕は下がらない口角を見つめた。
「泉はあまり他の人と交流しないんだってね?」
いきなり呼び捨て?
「あのさ「あっ、私の事えみでも、笑華でも好きに呼んで!」
心がよめているのか天然なのか彼女は大きな瞳をキラキラさせて僕を見つめた。
こんな強引な女見たことない……
僕は一つ溜め息を吐くと
「……じゃあ、笑華って呼ぶよ。」
妥協した。
「うん!そうして!さっきの話戻るけどね、みーんな噂してるよ?泉は冷たい人だって」
笑華は僕のベッドの隣りにあった椅子に腰をおろすと眉間にしわをよせて身を乗り出すぐらいの勢いで僕を見つめた。
「別にさ、僕他の人とかどうでもいいわけ。」
「……どうして?どうしてそんな寂しい事言うの?」
「だって僕、もうすぐ死ぬんだよ?今更人と仲良くなって何になるの?」
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