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「やっぱり、二人に会うと、元気になれる」
三夜子は、丸テーブルに肘をついて、かたわらのデイヴィッドを見つめた。いまの心情を察されまいとするかのように。
ニューヨーク、午後六時――
三夜子は、近所のペケーニョ(メキシコ料理店)にいた。窓際のお決まりの席で、セシルとデイヴィッドと三夜子の三人が、脚の長い丸テーブルを取り囲むように座っている。就職祝いと、ニューヨークの帰宅をよろこんで、彼らがこの宴を開催してくれていた。にんまりした三夜子に気づいて、デイヴィッドはクスリと笑った。
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