「スカイ」にて。

4/6
前へ
/20ページ
次へ
目下は街の灯に てらてらと揺れる波が広がり、 数えるのも面倒な沢山の人々が 足元を濡らしながら 歩いている… 僕らが地上から姿を消したところで 気づく人など居ない このまま双子が 一組消えても、 世界は 不動で、不滅だ… それは とてつもなく自由で、 まぶたが軽くなるような感覚だ…。 与えられた あらゆる事象は どんな悲観でも 不幸でもない ̄ ̄ ̄ ̄ 無色透明 だ…。 悲観も 栄光も 啓示でさえ、 僕らの観念に 委ねられている。 暗闇のそらと陸は 見えないが故に 想像力を孕み 飛躍していく… 光が闇に落ちないという事象さえ かくも僕らを 解き放ってくれる…。 僕は 夜の街を 飄々と見下ろしながら 想像力のもたらす去来を 次々と 赦して飛行していった…。  
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加