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暗闇で薄く淡い光を放つ 幻のような不思議な存在 近づいて触れようとする 僕を招くように 淡い光は闇の奥へと 歩み出す それから毎夜 光を探すように 暗闇を掻き分けては 時の狭間に歩みよった そこは時の止まった 不思議な世界 僕以外の鼓動は無く 何者の存在も許さない ただ一人僕だけが 暗闇で淡い光を 追いかける 誰かに存在を伝えたくて 誰と言わずに語りかける 淡い光をその存在を そんな光の存在など 当の昔に… 誰かに語りかけても 同じ言葉だけが耳を突く ただ一人信じた あなただけと もう一度同じ場所に 駆け出した 草陰で夜の訪れ待って 暗闇の中奥深く歩み出し 吐息を殺して光を待つ いつになっても 現れない淡い光を 今か今かと待ち続けた だけど 誰の心にも映らず決して 触る事も望む事さえ 叶わない そんな儚い存在と知る ついに一度も 現れる事無く 朝がそっと訪れた… … それでもまた同じ事を 誰と言わずに語り続けた 誰にも気づかれず ひっそりと消えゆく 幻のような物語を   あれは夢か 本当は幻なのか そう思いながらも 必死で語り続ける 僕を見た あなたは諭すような 優しい哀れみの言葉… 誰の胸にだって 真実と異なった 思い込みや矛盾がある さぁもうなにも 言わないで 『        』   …いつまでも泣き続けた 僕が居た
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