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彼が不意に見せた表情に驚いたものの、「へぇ~そうなんだ」と調子を合わせておいた。
彼には踏み込んでは行けない領域がありそうだ…。
紗奈は直感的にそれを感じ取っていた。
彼との間にある見えない壁に困っていると、秀哉が突然「ねぇ、中田さんってひょっとして聖蘭高校?」と聞いてきた。
「うん、まあそうだけど…。何で?」
「やっぱり!制服見てそうじゃないかなぁって思ってさ。俺明日から聖蘭に転校するんだよ。聞いてない?転校生の話。」
「うっそー!あ、そういえば先生が高間って…。ってか、具合悪いんじゃなかったの?」
「あー。今日は気分乗らなくてサボっちゃった。ま、明日は絶対行くよ!中田さんにも会えるしね。」
「ちょっとそれどういう…」
「はいはーい!おしゃべりはそこまで!お客さん来てるよ。」
いいところでマスターに邪魔されてしまった…。
モヤモヤとした気分のまま残りの時間仕事に励んだ。
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