a fateful encounter with him

10/10
前へ
/12ページ
次へ
彼が不意に見せた表情に驚いたものの、「へぇ~そうなんだ」と調子を合わせておいた。 彼には踏み込んでは行けない領域がありそうだ…。 紗奈は直感的にそれを感じ取っていた。 彼との間にある見えない壁に困っていると、秀哉が突然「ねぇ、中田さんってひょっとして聖蘭高校?」と聞いてきた。 「うん、まあそうだけど…。何で?」 「やっぱり!制服見てそうじゃないかなぁって思ってさ。俺明日から聖蘭に転校するんだよ。聞いてない?転校生の話。」 「うっそー!あ、そういえば先生が高間って…。ってか、具合悪いんじゃなかったの?」 「あー。今日は気分乗らなくてサボっちゃった。ま、明日は絶対行くよ!中田さんにも会えるしね。」 「ちょっとそれどういう…」 「はいはーい!おしゃべりはそこまで!お客さん来てるよ。」 いいところでマスターに邪魔されてしまった…。 モヤモヤとした気分のまま残りの時間仕事に励んだ。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加