a fateful encounter with him

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けたたましく鳴り響く目覚ましのベルの音。 起こしてくれる家族はもういない。 2年前のあの事故のせいで1人ぼっちになってからは、親戚の反対を押し切り、親の残してくれた遺産を、どうにかやりくりし、一人暮らしを続けてきた。 孤独にはもう慣れっこだった。 迫り来る毎日を懸命に生きるだけで精一杯。 「今日も学校が終わったらバイトか…。」 変わらない日常にため息を漏らしながらも、重い瞼をこすり、ベッドを出た。 いつものようにグレーの制服に身を包み、仏壇に手を合わせた後に、学校へと向かう。 いつもと変わらぬ朝だった。
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