序奏

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魔界特有のなま暖かい風。 ねっとりと、横たわっている己の回りをかけていく。 緑生い茂る緑の草原ではなく…、なんとも殺風景。 髑髏ににた花弁を開かせる花や、決して鮮やかに咲き乱れることがない、垂れ桜ににた大木。 それでも生きている…枯れかけている草が体を撫でればかゆくて、くすぐったくて…。 太陽ほど明るくない…魔界を照らすそれを手をかざしてみあげる。 紺色のからだの己でも血は通ってる。 透ければかすかに色鮮やかになる手のひらの輪郭。 別に気持ち良いわけではないのに目蓋が重い…。
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