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「あぁ~もうっ!頭痛いぃ~」
砂漠に立つ岩山の暑い日光を防げる大きな岩に言葉の発言者はいた。
「ホントにムカつくわねぇ!人が話してる途中に襲って来るなんてKYなクズ竜のくせに!」
そして黒髪の女は憎しみを込めた瞳でそれを見る。
頭にV字型のトサカを持つ全体的に黄色い鱗をしている鳥竜種のゲネポスだ。
その牙には麻痺毒があり、熟練のハンターも一かみで動くことの出来ない哀れな餌となってしまう。
一体一体の戦闘力はそこまで高くはないが集団で動くゲネポスは危険極まりない。
しかし…
「ホント馬鹿よねぇ…私に手を出すなんて」
彼女の視線の先には総勢三十ほどのゲネポスが黒く焼けた屍となっていた。
「それにしても…あの異契者…」
白と黒の世界であった人間にしては強い意志や覚悟秘めた眼差しを持っていた。
「フフッ…」
最近面白いことなどなく、退屈していた所だが興味を持てるものが出来た。
「早く会いたいものねぇ……」
その顔はまるで新しい玩具を待つ子供のようだった…
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