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「空が赤いわね…」
燃えている都市を見下ろしながら黒い服に身を包んだ女性は言った。
燃え続ける都市からはバラバラだが人が逃げ出して行き、火の粉で空は赤く染まっている。
しかし、それを見て女性はクスリと笑った。
「フフフッ人間の悲鳴がここまで聞こえて来る……いいわぁ…」
チロリと唇を舐めるその様子は妖艶と言えよう。
「でも、何だか気に入らないわね。姉様が死んでからあいつら調子に乗りはじめたようだし…」
クルッと身体の向き変え、都市に背を向ける。
そして女性はまた笑い出した。
「災いは私が起こす定め……調子に乗ったあいつらの邪魔でもしようかしら」
ゴオォォンッ!
その後、凄まじい黒炎の火柱が立ち、治まった頃には女性は消えていた。
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