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「むぅ………」
考え事をしているといつの間にか目の前に来ていたシズルが頬を膨らませて不機嫌な顔をしていた。
「なんだ、どうかしたか?」
思考を打ち切り、不機嫌な妹分に問い掛ける。
すると…
「アルト…また何か自分勝手に決めたでしょ」
「む…」
核心を突かれあまりいい表情は出来なかった。
「アルトって本当に苦しいことを考えてる時、顔の表情が歪むの知ってた?」
アルトはシズルに言われ、手を顔に持って行き触る。
眉間や頬などが張っているのがわかる…確かにいい表情をしていたとは思えない。
「私、アルト達見たいにおっきな物を背負ってる訳じゃないけど…手伝いたいって気持ちに嘘はないし覚悟もあるから…だから…」
シズルがふるふると拳を固く握り脇を閉め、表情は今にも泣きそうだ。
「隠し事しないでよ……私にはアルトしか家族はいないんだから。
怪我したり、いなくなったりしないでよぉ…」
遂には泣き出してしまい、ポカポカと胸を叩かれる。
(今日は泣かしてばかりだな…)
シズルの頭を撫でながらクリア達を見れば、苦笑してこっちを見て同じ言葉を言った。
「「「一人じゃない…」」」
その言葉だけで何故か目尻が熱くなった…
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