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「手に入れた本も普通の人じゃ読めない文字で書かれたやつだったし。すぐには内容を読めないんだよねぇ…」
深くシズルは溜息をつく。
死闘を繰り広げ、念願の物を手に入れたのに後ちょっとの所でお預けをくらえば、直接自分に関係ないとしても溜息をつかずにはいられない。
シズルはベッドから降りるともう一度アルトの顔を見て、「早く起きてね」と呟くと静かに部屋から出てドアを閉めた。
<トーザ・裏ギルド>
様々な酒の匂いとカードやコインがテーブルで擦れる音が窓もない部屋のいくつもの場所で響く。
それに呼応して人間の笑い声や悔しさにテーブルを叩く音も耳に入った。
「ふぅ…一杯くれ」
「フフッお疲れ様」
そんな部屋のカウンターで顔に一本線の傷が入った男と紫や赤などの色がついた東方の着物を着た女性がグラスを持って会話をしていた。
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