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「まったく、あの魔王に乱された流通ルートの見直しがや~っと終わったぜ!
何処の奴らもビビりまくって何度も討伐を確認するし、おかげで一日寝てねぇ…」
「それはそれはご苦労様♪
こっちは別に変わったことはなかったわよ、アルベル?」
着物を着た女性は自分のグラスをクルクルと回してアルベルに微笑む。
「ケッ、お前はいいよな!客にグラス運んだり、酒を飲んだりするだけだからよ、キーラ!」
「依頼の受注もやってるわよ。それにカウンターとギルドマスターの仕事を比べないで!」
キーラはアルベルのおでこにデコピンを放つ。
ビシッ
「イテッ!」
いい音が鳴り、アルベルはおでこを押さえてキーラを睨む。
ハッキリ言って子供クラスの行動である。
「それよりも…あのこと聞いた?」
睨みを無視してキーラは真剣な顔でアルベルに言った。
「…ああ、一山向こうのラルダの都市がぶっ飛んだって言う話だろ?
酷い有様らしいぜ、建物は粉々に吹っ飛び、砂に埋もれて、しまいには住んでた人間半数が行方不明だからな…」
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