進行

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「気分悪くなるぜ…」とアルベルは言い、グラスに入っていた氷をかみ砕いた。 裏で顔が広いということは知り合いが多いことに繋がる。 「原因は炎龍の襲撃らしいけど、ラルダの都市が襲われるのはおかしいわね…」 「どうしてだ?山を越えても向こうも砂漠に違いはないし、襲撃があってもとくには…」 アルベルはグラスをカウンターに置き、必死に考える。 キーラは顎に手を添え、アルベルに言った。 「あの地はどのモンスターも何故か縄張りを主張しないのよ。 本当にその地だけね…それ以外とくに何もないんだけど、ラルダの村長に伝わる言葉にこんな一説あるそうよ」 「この地、ラルダは黒き龍の地である… 争うことなかれ…邪の心持ったが最後、黒炎が舞い、災厄が降臨するであろう 恐れよ、心を… 恐れよ、龍を…」 キーラが話を終わると視線をアルベルに向ける。 「ラルダは黒き龍の地…侵されない地が侵された。 これは何か起こる前触れかもしれないわね…」 「…アルトの奴といい、ラルダといい、どうなってんだろうな…」 砂漠の闇と呼ばれる男にも解るはずなかった。
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