1人の少年

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しばらくすると少しムスッとしたすごくガタいの良い男の警官が部屋に入って来た。 (やっべぇ、絶対怒鳴られる…。) 少年は急に怖くなりこの部屋から逃げ出したい気持ちでいっぱいになる。 『まぁ、そんな緊張しないでもっとリラックスしてや』 その男の警官は無愛想にそう言うとジュースの入っていた紙コップが空になった事を確認する。 『佐藤さん、このコップ検問の所に持って行って指紋取るように言っといてくれ…』 (しまった…、指紋取るのかよ…。) 少年は裏切られた気持ちになった。 優しかった婦警は白い手袋を手に填めるとその紙コップを持って部屋を出て行ってしまった。
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