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「おいっ…」
突然後ろから呼ばれた。
「あん?」
俺と源次はからまれたと思い、威勢よく振返った。
そこには白いスウェットを来た背の低いドレッド頭の人が立っていた。白ギャンのメンバーなのだろうが、初めて見る人だ。
「あ、こんちはっす。俺、桜庭源次っていいます」
慌てて源次が立ち上がって頭をさげた。
「こ、こんちはっす。鈴木大輝っす」
俺も後に続いた。顔をあげるとドレッドの男は笑いながら言った。
「そんな堅くならんでもいいって。まぁ座れよ。俺はBLAST青龍会会長の中島貴彦ってんだ。よろしくな?」
「は、はぁ」
促されるまま座ったものの、俺にはBLASTも青龍会もなんのことだかわからなかった。
「あ、あの貴彦さんって白ギャンじゃないんすか?」
俺はおずおずと質問をした。
「バカ!白ギャンってのは周りが判りやすく言ってるだけで、ホントのチーム名はBLASTって言うんだよ」
源次が俺の耳もとで囁いた。源次は緊張しているのか貧乏ゆすりをしている。
「そう。源次の言うとおりでな、正式名称はBLASTってんだ。まぁこの名前は2月にできたばっかりだからまだあんま知られてないけどな」
貴彦さんはそう言うとタバコをくわえた。
「それで…青龍会ってのは何すか?」
俺の質問にまた源次が答えた。
「BLASTには青龍会、朱雀会、白虎会、玄武会ってのがあってそれぞれで役割を担ってるんだ。その青龍会の頭が貴彦さんなんだよ」
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