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「そんな偉い人が俺らに用っていったいなんなんすか?」
俺はちょっと期待に胸を膨らませていた。会派の頭が自ら話かけてくるってことはようやく俺らも仲間入りできるんじゃないかと。
「玄武会の会長は俺の双子の兄貴の雅彦ってのがやってるんだけどな、ちょうどうちと雅彦のとこで欠員が出たんだ。そこでお前ら2人をスカウトしに来たってわけだ」
俺の期待は的中した。俺は源次と顔を見合わせた。
「それ、マジっすか?」
源次は天にも昇る気持ちだったのだろう。顔が耳まで真っ赤になっている。
「お前らがよかったら頼むわ」
「ぜひ、お願いします」
俺らは同時に叫んでいた。
「そうかそうか。助かったよ。じゃうち1人と雅彦のとこ1人だから、どっちがどっちに入る?」
俺は青龍会の役割も玄武会の役割も知らなかったし、BLASTに入れるならどっちでもよかった。
「お前は青龍にしたら?俺、玄武会に入るから」
その源次の一言で全てが決まった。
「じゃ、決まりだな。今から暇か?薫さんのとこ挨拶しに行きてえけど」
「ぜんぜん大丈夫っす」
俺は久しぶりに薫さん見れること、そして初めて会えることに興奮していた。
「俺ら幹部連の溜り場すぐそこだから」
貴彦さんに連れられて俺たちはマックを後にした。
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