始まり

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「ここだ」  マックから歩いてすぐの所にBLASTの溜り場はあった。居酒屋の二階にある喫茶店『狩人』という所だ。ビルに挟まれた暗い外階段を昇り、喫茶店の扉を開けた。  カランカランという来客を告げるベルの音が自然と緊張感を高めた。ガランとした店内に心地良いジャズが流れている。 「いよいよだな」  俺はそっと呟いた。 「おう」  貴彦さんは奥に進んで行く。俺たちも後に続く。店の窓際の片隅に6~7人の人影が見えた。 「連れて来たぞ」  貴彦さんがその人影にむかって言った。 「なんだ、早かったな?」  一番窓際の人影が答えた。聞き覚えのある声だった。 「まぁな。おぅ、お前らこの人がうちのヘッドの薫さんだ」  やはり薫さんだった。 「は、初めまして。今日から玄武会でお世話になる桜庭源次です」  源次がマックで貴彦さんと会った時のように頭をさげた。 「お前か、うちに新しく入るのは。俺が玄武会会長の中島雅彦だ。よろしく頼むな」  一番手前の席で片手を挙げてそう挨拶をしてくれた雅彦さんも、貴彦さんと同じようにドレッドで背が低そうだった。ただ違うのは、雅彦さんはドレッドのオールバックだった。 「俺は鈴木大輝っす。今日から青龍会でお世話になります」  俺も頭をさげた。 「お前ってホント変わってるよな」  突然薫さんが話かけてきた。
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