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次の日、早々と学校を抜け出し、俺はまたマックで源次と会っていた。いつもと同じ席、同じタバコ、同じメニュー。ただ違うのは俺たちの服装だった。真新しいスウェットに身を包み、俺たちはこれからのことをしゃべっていた。
「これからはなんかあったらすぐに行かなきゃいけないっしょ?なんつったって新入りだし」
俺は源次のトレーから冷めたポテトをつまんだ。
「あっ俺のだし」
「まぁ気にすんな。それより貴彦さんの番号とか知らねえけどさ、連絡とかどうすんの?」
源次はもう取られないようにポテトをいっきにほうばった。
「それは俺にもわかんねぇや。でもなんかしらあんじゃね?」
BLASTのことにもっぱら詳しい源次でもさすがに知らないこともあるようだった。
「お前でも知らないことあんだな」
「あたりめぇだし」
源次は少しイラっとしたようだった。
「でも、ついに俺らもBLASTの仲間だな」
源次の顔がにやけた。しばらくはこの言葉で源次の機嫌取りができるだろう。
「ホントだよな!お前のあの格好のおかげじゃね?」
「まさか薫さんが気付いててくれてるとは思ってなかったなぁ」
俺もあの日ジーンズを履いていて本当に良かったと思った。
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