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「あれ?あいつどっかで見たことねぇ?」
突然、源次が窓の外をあごでしゃくった。その先には確かに見覚えのある男が店の前をフラフラしていた。
「誰だっけ?見たことあるけど思い出せねぇや」
しばらくそいつの様子を見ていると、俺たちの方を見た。そして俺たちが見てることに気付くと気まずそうに店に入り、俺たちの方へやってきた。
「何?なんか用?」
俺はタバコの煙を吐きながら言った。
「あんた達だろ新しく白ギャン入った2人組って」
なぜかこの男はオドオドしていた。
「そうだけど、お前誰だっけ?どっかで会わなかった?」
結局俺はこいつが誰だったか思い出せなかった。
「確か神社で見たと思う。ジーンズとダウンだったっしょ?」
「そうそう!じゃあん時に見掛けたんだ。で、何か用?」
一回見掛けたくらいの男がいったいどんな用があるというんだろう。
「えっと、貴彦さんからの伝言で5時に狩人に来いって」
「お前、BLASTのメンツなの?」
でも、この男がBLASTに入ってるとは思えなかった。第一に服が白ジャージでも白スウェットでもない。
「BLAST?あぁいや、俺はただのパシリ。さっきそこで頼まれてさ。入れるんなら俺だって入りてぇよ」
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