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俺は鈴木大輝。この4月から高校生だ。中学は3年間優等生で通した。県内トップの高校に入れると担任から言われていたが、本番でみごと失敗。2次募集で受けた名も知らないようなチンケな私立に合格した。
今、俺の住んでる街ではギャング達が縄張り争いにあけくれている。そんな時、入学式前から高校生活に嫌気のさしていた俺は、桜の咲き始めた3月のとある末日にあの喧嘩を見に行ったんだ。
街で幅をきかせていたギャングのチームは大きく分けて4つ。その中でも勢いがあったのが白ギャンと呼ばれるチームと黒ギャンと呼ばれるチームだ。そのヘッド同士が近くの神社でタイマンをはるというのだ。それぞれのチームはいきり立ち、中学生や高校生の野次馬の数も50人近くにものぼった。
俺は神社の鳥居の下にしゃがみ、タバコに火を着けていた。
(俺もどっかのチームに入りてぇなぁ)
そんなことを考えていると目の前にの人影が現れた。
「お前、まだ中坊だろ?」
顔をあげた俺を見下すようにそいつが言った。目の前の男は長い黒髪をオールバックにして後ろで結び、全身を白のジャージで包んでいた。
「何してんの?見た感じこの雰囲気には合わねえカッコしてっけど?」
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