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BLASTはこの辺りの不良達の憧れのチームだった。
「ま、いつかなれるっしょ?伝えてくれてサンキューな!っつうか源次なんかしゃべろよ」
源次は俺たちがしゃべっている間一言もしゃべらなかった。
「何?源次どしたの?」
「別に~」
源次は何か考え事をしているのか返事が上の空だった。
「ま、俺はもう行くわ。確かに伝えたからな?」
そう言って男は駅前の広場へと帰っていった。
「あいつも大変だよなぁ」
源次がぽつりと言った。
「急に何?わけわかんねぇよ?」
「俺だってお前と会ってなかったら今だにあいつと同じ立場だもんなぁ」
どうやら源次は昔の自分と重ね合わせてしまったようだ。
「はいはい。ま、いいじゃん?今やメンバーなんだからさ?どうする?そろそろ行ったほうが良くね?」
店の時計が4時55分を指していた。
「そだなぁ…行くか」
マックを出ると俺は源次に言った。
「でも今日は何の用だろ」
「確かに…幹部連の溜り場に呼び出しって悪いことしてねぇのにちょっと怖ぇよな」
俺たちは昨日貴彦さんに連れて行ってもらった道を思い出しながら狩人にむかって歩いた。
昨日と同じように階段を登り扉を開けた。奥にはこれまた同じように幹部連の方々が座っていた。
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