956人が本棚に入れています
本棚に追加
「正直、大輝もちょっと惚れたべ?」
源次はニヤニヤ笑っている。
「いや、惚れたわ。めっちゃかわいい」
正直にあの子が彼女だったらこんな嬉しいことはないと思った。
「そういや何時にバイト終わるか聞くの忘れた」
確かに有頂天になりすぎてすっかり忘れていた。
「ま、終わるまでここいりゃよくね?何時だって俺は待てっから」
俺たちは真希ちゃんのバイトが終わるのを、浮れたりぼーっと妄想をしたりを繰返しながら待っていた。
「お待たせしてすいませんでした。終わりました」
「いやいや、大丈夫だよ」
真希ちゃんがようやくバイトを終えて店の奥から出てきた。さっきは喫茶店の制服だったが今度は私服で、その私服姿がまた俺の心を熱くさせた。
「私服もかわいいっすね」
「あ、ありがとうございます」
俺のテンションはものすごい上っていた。
「とりあえず出てさ、どっかで飯食いながら話しね?」
源次の提案により3人で近くのファミレスに行くことにした。
席につき適当に注文をする。何かを食うよりとにかく真希ちゃんと話すことのが大切だ。
「あ、忘れてた。俺、源次。で、こいつが大輝。でさ高校どこなの?真希ちゃん頭いいっしょ?」
まず源次が口火を切った。
「いえ、良くないですよ。昭和学園です。どこなんですか?」
「え、マジ?頭いいじゃん。俺は県凌高校だよ」
「そんな事ないですよ。県陵のが凄いじゃないですか」
俺は自分の高校の名前も言うのが恥ずかしかったのでこの会話に入ることができず、さっさとやって来たサイドメニューのクリームコロッケを口に入れた。
最初のコメントを投稿しよう!