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「雅彦さんなんか変じゃね?」
「確かに変だな。俺ちょい行ってくるわ」
源次は雅彦さんのとこに走っていった。俺は正直、雅彦さんより真希ちゃんと2人きりになれたことがものすごく嬉しかった。
「あの人は源次が所属しているBLASTの玄武会の会長なんだよ」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ偉い人なんだね」
「まぁ幹部の人だからね。あ、でも俺もそのうちなるから」
「わかった期待してる」
真希ちゃんは不良界のことなどこれっぽちも知らないだろうが、俺のことを応援してくれた。その事が何よりも嬉しかった。
「悪い、聞いてきたぜ」
楽しい時間はあっという間にすぎてしまうもので、源次が戻ってきた。
「なんかあったって?」
「ん~」
源次は真希ちゃんのことを気にしているようだった。
「ちょっとこっち来い」
「真希ちゃん、ごめんね、ちょっと待ってて?…なんだよ、早く言えよ」
「どうもこれから黒ギャンと喧嘩するかもしれねぇってよ?」
「マジで?」
「お前切込みだから行かなきゃまずいんじゃね?」
「だよなぁ」
俺は真希ちゃんをちらっと見た。
「こんな状況じゃ今日は真希ちゃんには悪いけどカラオケは無理だろ」
「しかたねぇな」
俺たちはあからさまに落ち込んだようで、それを見た真希ちゃんが声をかけてきた。
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