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俺たちは本当に仲良くなり、俺だけフリーだったせいもあるかもしれないが、麻衣さんと2人きりで遊びに行ったり、由佳さんと2人きりで飲みに行ったり、真希ちゃんと2人で飯に行ったりとまるで全員が兄弟のような関係になっていた。もちろん俺と源次が薫さん、恒さんと仲がいいことは他のメンバーには内緒ということになっていたので、みんながいる前では近寄りがたい先輩後輩を演じていた。まあ、薄々は勘づいていたようだったが。
今日も俺と源次は狩人に顔を出した。最近知ったのだがここは2人の行きつけで幹部会がある時だけ幹部連をここに呼び出すそうだ。なので普段は薫さんと恒さんしかいなかった。
「こんちはっす」
店に入りいつもの席に目をむけると、今日は薫さんと恒さんの他にもう1つ頭が見えた。
「誰かいるみたいじゃねぇ?」
「みたいだな。珍しくね?」
俺たちが席に向かうともう1つの頭の正体がわかった。
「あっ!中西さんこんちはっす」
「どうしたんすか?」
竹内組の若頭の中西さんだった。この前お世話になって以来で久しぶりに会った。
「おう、来たか」
「久しぶりじゃのう。相変わらず命はっとんのか?」
「最近は平和っすからねぇ」
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