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「まあそういうことやな。どうじゃ、やってくれるか?」
「そんなのぜんぜんOKっすよ」
「でな、今回のことには俺たちBLASTは表だっては動かねぇ。あくまでもお前ら個人的なもんだ。わかったな?」
横から薫さんが入ってきた。BLASTが動かないのは動くと黒ギャン対BLASTの大きな喧嘩に発展しかねないからだろう。ただ、表だってという表現をしたということは裏で思いっきり動いているのだろう。
俺たちは早速、青木の居場所を探した。
俺は源次に教わったおかげで今では無免ではあるが原チャリに乗れるようになっていた。しかし、源次の顔の広さを利用したおかげで青木の居場所は意外と簡単に見つかった。青木はどうやら今、地元の若者がよく集うゲーセンにいるらしい。
「俺の聞いたとこによると、どうやら青木って黒ギャンの次の頭候補らしいぜ」
「マジで?じゃあ頭になるために吹いてまわってるっつうことか?」
「さぁな。でもよ、頭候補ってんだから少しは骨あんじゃね」
「それだといいがな」
「で、どうするよ。思い切って正面から乗り込むか?」
「それしかねぇだろ」
様々な音が渦巻く小さな箱の奥で青木は格ゲーをやっていた。上下黒のスウェットをダボつかせ、せわしなく両手を動かしている。画面を食い入るように見つめている青木の腕を源次がガッチリと掴んだ。
「青木ってガキはてめぇだな?」
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