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「あのなぁ。お前いい加減にしろよ?いいか?なんでも白ギャンの連中が黒ギャンの縄張りに入り込んで喧嘩をしたみてぇだ。しかも2日のうちで何回も。でもな、このことを薫さんは知らなかったみたいなんだよ」
「白ギャンって悪さしねぇんだろ?それに知らなかったのに自分で喧嘩しなきゃいけねぇのか?そんなのおかしくね?」
俺はどうも腑に落ちなかった。
「よくわかんねぇけどヘッドっつぅのはそういうもんなんだよ。ほら、喧嘩はじまんぞ?」
そう言って男は立ち上がった。それにつられて俺も立ち上がった。
「薫、俺が勝ったら当然お前の島も貰うからな?」
言いながら健吾さんはニヤついた。相当自信があるのか、余裕を感じられる。
「もちろん、わかってる」
薫さんは大きく一回頷いた。
そして、一気に間合いを詰めると健吾さんにむかって殴りかかった。薫さんの右の拳が健吾さんの鼻を綺麗に捕らえた。健吾さんは小さく唸いて2、3歩よろめいた。すかさず薫さんの2発目が襲いかかる。後は薫さんのパンチの嵐だった。ときおり見せる健吾さんの反撃も薫さんの勢いを緩めるにはいたらなかった。
健吾さんは顔面を血で真っ赤に染め膝から崩れた。
「はぁはぁ…もういい俺の負けだ、薫。俺の島は今からお前の物だ。黒ギャンは潔く解散する」
「いやいや。俺は別にお前のトコが欲しくてこのタイマンに応じたわけじゃねぇ。どうも調べたら、お前んトコの中坊5~6人がゲーセンでうちのを袋にしたのが始まりみたいだからその落し前つけに来ただけだからよ。島とチームは今までどおり行こうや」
薫さんはフッと小さく笑った。
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