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駅前にもかかわらずみゆきはいつも空いている。だから真希の仕事はほとんどないからこうやってしゃべる時間がけっこうあった。
「今日学校行ったらバレークラスマッチのキャプテンになった」
「学校行ったの?でも凄いじゃん!やったね」
「したら練習あるから毎日来いってさ」
「まぁそれは仕方ないよね。けっこうみんな本気なんだ?」
「優勝すんだと」
「じゃあ期待に応えないとね?ちゃんと行くんだよ?」
「正直めんどくせぇ」
「ダメ!行くの!」
「うぃ~」
源次の彼女になってしまってから余計に真希がかわいく思えて、どうも言われると反論できなかった。
「それよりその前にテストでしょ?大丈夫なの?」
「まぁなんとかなるっしょ」
「ダメだよ!ちゃんとやらなきゃ」
「……」
「こら、返事は?」
「…はい」
なんかまるで真希は親や面倒見のいい姉みたいだ。
「偉い!珈琲おかわりいる?」
「あぁ頼む」
「ブラック?」
「うん」
真希は厨房に珈琲を取りに行った。しばしの1人の時間。なぜか急に不安になってきた。今はほんの一瞬のこの時がいつかは永遠になるのではと。
「はい、どうぞ」
「サンキュー」
真希の顔を見た時、俺はなんか1つ成長した気がした。
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